豊田・神越渓谷・青鷺火 f/g、闇に烏、雪に鷺 f





コロナの感染拡大による緊急事態宣言が出される前、
豊田の神越渓谷で2つの課題を初登した。
が、直後に緊急実態宣言で発表のタイミングを逃してしまった。

1本目はサギ岩、サギAのロースタート、完成形のライン。
いわゆるサギPというプロジェクトだ。
実は2年ほど前に触っていて、その時はサギA(f+)のスタートと勘違いしていた。
全然浮き上がらず、悔しい思いをして帰ったのだが、
家に帰ってトポを見るとサギAのスタートはもう一手上だった。

で、今回久しぶりにサギAをリベンジしに来たのだが、
保持力が上がってるのか、サギAはあっさりと完登。
スタートもスタ・フルシットで出れるし、あまり強度を感じない。
古いトポ上にはf+ (二~三段)と書いてあるが、これは二/三段(f/g)ではなく、
今で言う二段+の別表記と捉えて良いと思う。
ただ、体感グレードはeくらいだろうか...






これなら前回間違ったロースタートも出来るのではないかと思い、触ってみる。
右手顕著なアンダー、左手下部の薄カチ、フルシットスタート。
スタートはちょっと変わった足さばきで離陸でき、1手目の保持感も悪くない。
しかし、サギAのスタート右手で使っているインカットカチを左で使うことになり、
寄せが出来ない。スラブ面にもヒールをうまくかけられない。
やっぱり未だ無理かなぁと思っていた時、ある画期的なムーブを思いついた。

バラシも問題なく出来、繋げ3トライ目。
あまりにムーブがバッチリハマりすぎ、予想しなかったタイミングで後半パートに突入。
スローパーでスリップしそうになりながらも、なんとか完登。
三段くらいあるかと思っていたが、ムーブとコツがわかればそんなに難しくないかも。
f/g(二/三段)が妥当な所だろうか?
サギAにf+付いてなければ、fでも良いくらいかも。

サギの岩はすでに複数課題がありスタート位置が複雑な上に、
サギXとかつけるとややこしくて仕方ないので、完成系ラインとして別課題名にさせて頂きました。


「青鷺火 f/g(二/三段)SD」 


あおさぎび。夜にサギが光って見える怪現象。
数年前に出来なかったラインが登れると、成長を感じる。
小さい岩ながら変わったシーケンスで非常に面白かった。
サギAと下部のムーブが別物になるのも良い。
ローボールだけど、キラッと輝く良い課題な気がする。
とにかくクライミングは足だなという事を再認識した。




そして、同時に取り組んでいたのが、サギ岩裏面のカンテ。
わかりやすく、綺麗なラインだが設定課題はない。そして、フットホールドもない。
最初はスタート不可能か?と思ったが、色々と細かく探っていると、
悪いフットでギリギリ浮ける。
そしてその先に、「使ってください」と言わんばかりのスローピーなガバがある。

ムーブは起こせるが、初手が止まらない。
絶対出来るはずだが、止まらない。届くのに、上手く保持できる体勢になれない。
そして、一度は完璧に止まったのに、ヌケの苔を掃除していなかったせいで
クライムダウン。「もう一回やれば良い」と思ってからが長かった。
コツが分からなくなりフットが抜ける抜ける。
西日のせいでカンテの持ち具合も悪くなり、初手が浮けない....
そうこうしているうちに1日終わり、2日目の夕方まで掛かった ...

ようやく太陽が山に隠れ、岩が少し冷えた頃合い。
ついに止まった。
冷静にマントルを返し、ようやく登れた。
たった1手に200トライ以上、それでも見た目、ロケーション、
そしてテクニカルな良い課題。どことなくクラシックな匂いがする。
御岳の水際カンテのような課題だ。
高さは無いし、マットをうまく置ける場所も無いので、
ノーマットスタイルで登った。というかマット必要ない。
ただし、リップで滑ると最悪川ポチャするかも。


「闇に烏、雪に鷺 (f、二段)」


冬ならもう少しカンテが持てるのかもしれない。
神越はコンディションによって難易度が左右されやすいエリアだと思う。
それでもなかなかの強度はあるように思う。とにかくコツ系、重心系。
最初の数トライで終わらせた方が良い。
ハマる人はどハマりしそうな課題(という自分もがっつりハマった)。
ネオクラシカルな良課題。個人的には青鷺火よりも苦戦した。
手も足も、一体どこ使うの?というくらい見えずらい。
まさしく闇に烏、雪に鷺状態。

ちなみに、カンテ右側を登るのはワカサギb。
下部にガバ足が無ければ、こっちも強度がありそうだったけど、
隙間に溜まった石ころをどかしたらガバ足が出てきてしまった ...

と言うことで外岩自粛期間が始まり、
豊田はシーズンアウト。残念。









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