20ヶ月ぶりのProject



大田でのいくつかのプロジェクトを終わらせ、ようやく指が外岩に慣れてきた。2022年、そろそろ本題のプロジェクトに戻ろうと思う。

3年間、計20日間程通い詰めて、ようやくいくつかムーブが定まって完登が目前だったにも関わらず、コロナで岩場の自粛要請が発令されモチベーションがガタ落ち、コロナ禍での出産なんかもあって、クライミング自体から10ヶ月ほど離脱。復帰後の4か月に渡るトレーニング。

結局、同じ岩に戻ってくるまで20ヶ月かかった。


その間に岩は自然の姿に戻り、まるで苔玉のようになっていた。岩に倒れかかっていた木は、そこら中がボロボロに朽ちてきていて、20ヶ月という長くて短いような時間の流れを否応無しにも感じさせられる。当時は、この倒木が朽ちるまでにプロジェクトを完成させようと意気込んでいたが、もうそんなに遠い未来の事ではないのかも知れない。


3時間ほどかけて苔を掃除し、ようやく綺麗になった。岩には3つのラインを見出している。その内の一番簡単なものは既に終わっており、e/fの初二段くらいのコツもの。その他に推定二/三段が一本、大本命の推定三段が一本。どれもかなり厳しい内容だ。


久しぶりにトライすると、以前出来たはずのスタートムーブとコツをすっかり忘れていて、まるで振り出しに戻ったかのようだった。それでも2日目にはコツを思い出し、どうにか2手目を止めれそうなところまで来た。2歩後退した悲しさもあったが、やはり強度のあるムーブに嬉しさをも感じた。決して簡単なプロジェクトではない...

同時に、以前見出していたラインが、あまりに人工的なライン取りのように目に映った。岩の弱点はもっと左側で、そこにラインが見出せるはずなのに、わざと右上気味にさらに難しいラインを取っていた。それは初登者の驕りのようなライン取りだった...

もっと素直なラインがそこにある。久しぶりに岩を訪れたことによって、はっきりと見ることが出来た。課題のラインをどこに見出すのか、そこに初登者のクライミングセンスが問われる。個人的には、1つの岩に明確なラインが数本あれば充分。限定などを無理につけて、難度を上げたラインが乱立すると岩それ自宅の魅力がかなり薄くなるように思える。いや、そのラインはいらないでしょ〜...と。


写経ロックにも、未完のプロジェクトがあった。このプロジェクトも着手するかかなり迷った。というのも、写経ロックにはど真ん中を走る2つの素晴らしい課題がある(経師は数回完登、写経はかなり日数かけたがスタート出来ず笑)。その端っこに実質1手モノの課題を足す必要があるか?と。eくらいなら止めておこうと思っていたが、実際に取り付くと経師fの3手を足したよりも遥かに悪い一手、推定2/3段-3段。そしてSDは恐らくこの岩で最も難しいライン(推定4段)だ。当時は、経師で指をアップしてプロジェクトに取り付いていたほどだった… 恐る恐る、久しぶりに取り付いてみる。もうスタート態勢にすらなれないかと予想していたが、意外にも直ぐにスタートのコツを思い出した。驚いたことに、当時と同じくらいのムーブを起こせた。大田でのいくつかのプロジェクトを通して、予想以上に早く保持力が回復していたようだ。結局核心の一手が止まることは無かったが、ムーブを起こせただけで大満足。だいぶ自信がついた。

こっちも惜しい気はするので、ちょこちょこ触っていこう。指皮の消耗がめちゃくちゃ早いけど...


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